久々にカテゴリ「焙煎は調理だ!」について書きますよ。
coffee roasting By c4lin
この記事では《いつもコーヒー》のローストマスターとしての品質宣言というより、明確な言葉で「本質的な良いコーヒーの基準」を定義します。そのことで日常的に《いつもコーヒー》が考えていることや目指していることを整理していこうと思います。
ちょっと青臭い内容かも知れません。
基準の違い
「本質的な良いコーヒーの基準」という言葉はおそらく初めて使うと思いますが、カッピング基準との違いを説明しましょう。そもそも意味合いがまったく違います。
■「SCAAなどのカッピング基準」
均一なロースト基準によって出来上がったコーヒーを評価する基準。
■「本質的な良いコーヒーの基準」
ロースターなどが目指す目標や信念に基づく良いコーヒーの基準。
つまり「本質的な良いコーヒーの基準」はロースター自身にあると言えます。
生豆とロースト豆の品質評価
当店を含めたロースターは単に生豆の品質の良さだけでなくローストされた最終商品のコーヒー豆の品質をアピールすべきと考えています。
ここ10年で生豆の品質の良さを評価する「カッピング」の精度はプロの間でも飛躍的に高まり、自家焙煎店では顧客教育としてアマチュア(カスタマー)さえも巻き込んで盛んに行われています。 パブリック・カッピングと称しているようです。
カッピングによる評価は2段階に分けられます。
■生豆の段階での品質評価
生豆の輸入者やロースターが実施して採用の可否を決める評価。
大量のサンプルから品質の良いものを選択する評価とも言えます。
■商品としてのロースターの品質評価
ロースター自身の手によって焙煎したコーヒー豆への評価。
「本質的な良いコーヒーの基準」は上記の”商品としてのロースターの品質評価”の範疇に入ります。
評価基準の使い分け
一般的に上記の2つはいずれも通常はSCAA基準で実施しますが目的により使い分けします。
ロースター自身が持つ「本質的な良いコーヒーの基準」は一般的なカッピング基準とは違い、よりコーヒーを俯瞰して見るシンプルな考え方です。
日常的に「本質的な良いコーヒーの基準」に沿っているかチェックするには点数評価など複雑なことはしません。ただし、様々な抽出方法で実施します。
基本はペーパー抽出でハンドドリップ、マシンドリップ。金属フィルターによるプレス。などで実施します。
では「本質的な良いコーヒーの基準」とは?
当店の目標だったり信念に基づく良いコーヒーですから将来的に変化していくはずですがご紹介します。
1.余力のあるコーヒー
標準的なグラム数で淹れて美味しく普通にいただけるが、
さらに増量しても苦くならず濃厚で粘りが強くなり香りが増す。
お客様にとっては抽出の幅が増えるメリットがある。
2.クリーン(雑味のない)コーヒー
当たり前の品質。コーヒーの風味を壊す余計な味は不要。
3.苦味の質
基本的に苦味は強くないが、苦く感じてもさーっと途端に消えて行く。
感覚的にはリキュールを舐めたときのよう。
4.冷めてからの質
味の劣化が少なく苦味が強くなったり酸味が強くなったりしないこと。
冷めてからはほんのり甘く感じられるとベスト。
完全ではないが結論
《いつもコーヒー》が考えている「本質的な良いコーヒー」を4点列挙しましたが、この記事を読む皆様はどのように感じるでしょうか?
私ならこれを加えるなど色々とあるでしょう。
ローストマスターとしては、アレもコレもではない限定した4点です。さらにこの4点は《いつもコーヒー》の特徴として近い将来皆様にアピール出来るようにして行こうと思います。
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